第52回 全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会 全国大会
第55回 全国情緒障害教育研究協議会 全国大会

分科会 7月28日(金)

第1分科会 「聴覚障害」に関する指導・支援

コーディネーター 澤隆史 
東京学芸大学 総合教育科学系 特別支援科学講座 教授

提案1 奥沢忍 茨城県つくば市立竹園東小学校 難聴学級

共生社会に向けた難聴学級の取り組み
〜環境調整と課題改善,組織化の3つの観点から〜

現在、難聴学級には学習環境・生活環境をどのように整えるか(環境調整)、学習方法や授業内容をどのように再構成するか(課題改善)、支援体制をどのように整えるか(組織化)の3つの課題があると捉え、個々の課題についての等学級の試みを紹介します。

提案2 須藤沙弥香 神奈川県立茅ケ崎支援学校(元平塚ろう学校)  
     三橋聡子 長谷川ちか子 神奈川県立平塚ろう学校 通級指導教室

中学3年間の気持ちを支える指導
〜難聴中学生の自己認識を育てる、通級での取り組み〜

自己認識を深め、自身に必要な支援方法を選択できるために、通級指導3年間の働きかけをまとめた報告です。「わかっているけれどやりたくない」と葛藤する思春期の難聴生徒への関わりや、在籍校の難聴理解につながる取り組みの工夫などを紹介します。

第2分科会 「構音障害」に関する指導・支援

コーディネーター 西田立郎 
言語聴覚士・元埼玉県白岡市立篠津小学校教諭

提案1 春山咲希子 宮崎県都城市立明道小学校 言語障害通級指導教室

ことばで表現することが上手な Aさんから学んだ
自己肯定感を高める構音指導

情緒にも課題のある低学年のお子さんの改善指導の提案です。担当になり3年目で指導に不安を感じながらも、周りの方々に支えられ、子どもたちの姿から教えられ、ことばの先生としても成長していくことのできた実践を紹介します。

提案2 東あやの 埼玉県草加市立八幡北小学校 難聴・言語障害通級指導教室

笑顔かがやく ことば・きこえの教室を目指して

ことばの教室の活動を通して、児童の心が動いた瞬間を捉え、自分を肯定し笑顔になっていく様子とそれを支える保護者の姿を6人のエピソードとともに紹介します。ことばの教室、担当者だからこそできることについて皆さんと考えられたらと思います。

第3分科会 「吃音」に関する指導・支援

コーディネーター 小林宏明 
金沢大学 人間社会研究域 学校教育系 教授

提案1 安田恵美 千葉県千葉市立山王小学校 言語障害通級指導教室

吃音がある子どもが幸せに生きるために
ことばの教室でできること

自分らしく幸せに生きてほしいと願い日々の学習を行っています。吃音学習は子どもの行動、思考、感情に目を向けることが大事だと考え、対話に取り組みました。「吃音チェックリスト」などの学習を通して、自分や吃音と向き合う子どもたちの様子を紹介します。

提案2 森崎渉 埼玉県川越市立川越小学校 難聴・言語障害通級指導教室

開かれたことばの教室を目指して

吃音のある子どもたちが在籍校や社会の中で生き生きと活躍するためにと計画して取り組んだ7年間のグループ学習の記録です。「自分のことばで伝えたい」「在籍校で活躍したい」そんな児童の思いが、グループ学習を通して実現した指導実践の紹介です。

第4分科会 「言語発達・読み書き」に関する指導・支援

コーディネーター 海津亜希子 
明治学院大学 心理学部 教育発達学科 教授

提案1 末永絢音 東京都練馬区立南町小学校 言語障害通級指導教室

発達性読み書き障害が疑われる児童の支援

本教室への相談が多い「読みとか気が苦手な児童」への支援について提案いたします。アセスメントに基づいたツア付きの背景と要因の整理、在籍校との連携など、支援の上で大切に感じていることや、MIMなどを活用した段階的な指導方法をご紹介します。

提案2 戸邉みな子 埼玉県深谷市立上柴中学校 発達・情緒障害通級指導教室
    横田惇   埼玉県深谷市立深谷中学校 発達・情緒障害通級指導教室

中学校通級での
読む・書く・伝える力がつき
自己有用感が高まる指導
〜自立活動を通して実感を伴う指導〜

中学生の通級指導の中心課題を整理し、3つの指導の柱「生活の質を上げる」「自己理解」「読む・書く・伝える」を、多くの指導事例を示し提案します。特に「読む・書く・伝える」は単独指導ではなく、全ての自立活動と絡めながら生徒の実感を伴う指導を行う工夫をしています。

第5分科会 「ICT活用」の指導実践

コーディネーター 坂本條樹 
渋谷区教育センター特別支援教育係 
共立女子大学 家政学部 児童学科講師

提案1 田渕恵美子 茨城県守谷市立守谷小学校 LD/ADHD通級指導教室

読み書き等に苦手さのある児童の支援
「教材教具」「生きるための道具」としてのICT活用

読み書き等が苦手な児童の支援事例を通して、教材教具としてのICTの活用、自らが学んだり、生活を向上したりするための道具としてのICT活用について、お話しします。支援の時間経過とともにアセスメントからの支援の様子、成果等、深まりのある実践を紹介します。

提案2 金子洋子 埼玉県久喜市立鷲宮小学校 発達・情緒障害通級指導教室

ICTを活用した通級指導

通級指導教室でのICT活用ということで、子どもの指導に生かす学習ツールとしての活用、在籍校担任、保護者等の連携に生かす活用と、実際に使用しているGoogleアプリを紹介しながら、お話しします。児童の実態に合わせたアプリの数々を紹介します。

提案3 植草葉月 東京都国立市立国立第二小学校 自閉症・情緒障害特別支援学級

ニガテがあっても大丈夫!CHROMEBOOKはボクの相棒
学びに積極的になれる!低学年集団の日常

特別支援学級におけるICTの活用について、お話しします。担任した低学年の実践事例を挙げながら、学級での様々な取り組みを紹介します。低学年の児童でもICTを楽しみながら、学習できる実践の紹介です。

第6分科会 「自閉症・情緒障害」に関する指導・支援

コーディネーター 霜田浩信 
群馬大学 共同教育学部 特別支援教育講座 教授

提案1 園田力斗 入間市立狭山小学校 特別支援教育主任コーディネーター

主体性を育てる『自立活動』へ!!
〜本人の夢や願いを大切にして〜

一人ひとりを大切にした指導計画の在り方ということで、PASHやPCPの考え方に沿った「本人を中心に据えた計画作り」から、夢の実現に向けた支援の在り方、自立活動の指導について、お話しします。子どもたちの夢をどう支援するか、事例をあげた実践の紹介です。

提案2 大桃友加里 千葉県いすみ市立東海小学校 知的障害特別支援学級

児童の自己理解の深まりと自己肯定感の高まりを目指した
自立活動の授業実践
ー各関係機関と連携した児童の実態把握と
「じこしょうかいブック」作りを通してー

自立活動の授業実践において、担任と各関係機関とのつながり、児童自身と友達や家族とのつながりに視点を置きながら、お話しします。授業の中で、どのような活動を取り入れると、児童が自己理解を深め、自己肯定感に高まりが見られるのか、変容していく様子がわかる実践の紹介です。

第7分科会 「進路・キャリア教育」に関する指導・支援

コーディネーター 名越斉子 
埼玉大学 教育学部 特別支援教育講座 教授

提案1 高松慶多 東京都三鷹市立第二中学校 校内支援教室 Port247

キャリア形成の基礎となる自己肯定感の高め方

教室に通う中学生の進路学習を展開する上で「自己肯定感の重要性」に着目しました。「自己理解の深まり」から「自己肯定感の向上」へと促す指導プログラムとして、東京都の特別支援学級の紹介と教室愛称Port247「マイプロ(マイプロジェクト)」の実践を中心に紹介します。

提案2 相川賢樹 埼玉県立特別支援学校 さいたま桜高等学園

発達にかたよりのある生徒の社会参加と自立にむけて
〜通級指導を受けた生徒のインタビュー調査〜

社会参加と自立を目指す上で小中高の連続した学びの中で「自己への気づき」「自己理解」は不可欠です。中高の通級指導を受けた卒業生にインタビュー調査を行い、キャリア教育(「基礎的・汎用能力」)の視点から内容を整理し「学校での支援の在り方」について報告します。

第8分科会 「幼保から就労までの連携」 〜発達障害〜  パネルディスカッション

コーディネーター 大石幸二 立教大学 現代心理学部 教授
         遠藤愛  文教大学 人間科学部 准教授

パネリスト1 石本直巳 埼玉県立けやき特別支援学校 伊奈分校

生涯にわたりよりよく生きるために
発達ステージを支える各機関との連携のあり方
〜教育の立場から〜

県立発達医療センター内にある学校の特別支援教育コーデイネーターの立場から、復学に向けた取り組みとして重視している「子どもの実態に応じた授業の工夫」や「家庭や地域を支援する取り組み」について報告し、よりよい医療と教育の連携のあり方について提案いたします。

パネリスト2 野崎陽弘 埼玉県発達障害者支援センター「まほろば」センター長 

生涯にわたりよりよく生きるために
発達ステージを支える各機関との連携のあり方
〜福祉の立場から〜

相談支援専門員の立場と視点から、過去の連携支援の失敗からの学びを活かし、教育と「福祉」の支援の連携の在り方を考え、共通領域である「自立活動」を中心に「チーム支援」の重要性を提案いたします。

第9分科会 「ことばの教室経営と他機関との連携」〜難聴言語〜 パネルディスカッション

コーディネーター 滑川典宏 
独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所総括研究員 言語障害教育研究班

アドバイザー 木場由紀子 言語聴覚士

パネリスト1 福田桂子 さいたま市立大宮南小学校 難聴・言語障害通級指導教室

小学校のことばの教室について

「ことばの教室」に通う難聴児の様子や、幼保・小中学校・医療・福祉と連携しながら、子どもたちのこころを育てる教室経営について紹介します。

パネリスト2 福田恵美子 さいたま市立大宮南中学校 難聴・言語障害通級指導教室

中学校のことばの教室について

思春期の揺れる心に寄り添う中学校の「ことばの教室」のあり方について、本教室の取り組みを紹介します。

パネリスト3 清水加奈子 埼玉県立小児医療センター 言語聴覚士

病院における言語臨床について

病院という立場における言語臨床とその役割、そして「ことばの教室」との連携について紹介します。

パネリスト4 岡田岳歩 
児童発達支援事業所 放課後等デイサービス エント 言語聴覚士

放課後等デイサービスにおける
難聴児療育について

0才から18才までの難聴児の言語・コミュニケーションの支援を、医療や教育現場と連携しながら進める療育について紹介します。