埼玉大学教育学部附属特別支援学校

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【中学部】9月 授業の様子・体育 ゲストティーチャー

体育の授業のゲストティーチャーとして、パラアスリート講師の手塚圭太選手が来てくれました。

手塚選手は、23歳のときに事故で左足を失いましたが、その後、義足で登山やゴルフ、陸上に挑戦し、現在も陸上の現役アスリートとして活躍されています。

今回は、手塚選手のお話をうかがいながら、陸上競技用の義足体験をさせていただきました。

生徒たちは初めて見る義足に興味津々で、身を乗り出してお話を聞いたり、我先に義足に触らせてもらおうとする姿が印象的でした。

競技用の義足をつけた感覚は、竹馬に乗っているような感じだそうです。陸上競技の映像などで見かける際には、バネのように跳ねる様子が見られますが、実際にはとても硬くて、ちょっと体重をかけたぐらいでは曲がりもしません。走る際には体重の3倍の負荷がかかるそうで、その負荷に耐えられるようにとても硬く作られているそうです。

↑この写真のデモンストレーションのあと、生徒たち全員が義足体験をしました。はじめはおっかなびっくりといった様子でしたが、次第に歩き方になれて、体験後半には補助なしで一人で歩ける人もいました。

最後に、生徒代表の生徒会副会長から、お礼の言葉を伝えて、紙すき班の製品をプレゼントしました。

手塚選手のお話の中で、「義足でもできる」「やろうと思えばできる」という言葉が印象的でした。

また、「義足になって生活で困っていることはありますか」という生徒からの質問に、「もちろん足があったときと比べたら、不便なことはあります。でも、義足を使うこの状況が今の自分。なので、義足だから困っているということはないですよ」と答えられていました。また、足が不自由と言われることに対して、「他の人と比べることにはあまり意味がなくて、この状態が私の『普通』、『当たり前』なんですよ」ともおっしゃっていました。

手塚選手のお話を聞いていて、2016年のリオ・パラリンピックで、イギリスのChannel4が制作した「We’re the Superhumans」という動画を思い出しました。

動画の中では、様々な障害のある人たちが自分の力を発揮する様子と、「Yes, I can.」というフレーズが繰り返されます。

どうせできないと諦めるのではなく、どうやったらできるかを考えることで、生活が、人生における選択肢が、広がっていくのだと思います。

学校は、生徒たちが「できる!」という実感を得て、自信を育める場所でありたいと改めて感じました。

生徒たちも考えること・感じることの多い時間になったと思います。貴重な学習の機会を提供してくださった手塚選手に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

(2023.09.12更新)