埼玉大学教育学部附属特別支援学校

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【中学部】1月 3年生 校内実習

今週・来週の2週間、3年生は「校内実習」に取り組みます。

今年も「校内実習」では空き缶つぶしを行っています。昨日は作業の準備やオリエンテーションを中心に行いました。これまでの高等部の現場実習体験などは、あくまで体験であり、今回は本格的に1日通した作業に継続して取り組みます。

2週間の校内実習はまだまだ始まったばかりです。2週間でどれだけ缶をつぶせるか、また仕事にどれだけ集中・継続して取り組めるようになるか、中学部のはたらく学習のまとめとして、ぜひ頑張ってほしいと思います。

さて、中学部の「校内実習」には、大きく3つのねらいがあります。

1つ目は、高等部等で行う現場実習(1カ月間)に向けて、長時間(3~4時間)・長期間(2週間)続けて作業に取り組む経験をすること。

2つ目は、作業をしてお金を得る経験をすること。ここで得たお金をもとに、次は外出の計画を立ててお金の使い方を考える学習につなげていきます。

3つ目は、1つ目・2つ目の経験を通して、将来の自立と社会参加に向けた勤労観・職業観を培うことです。

中学部では、この「校内実習」で初めて本格的に金銭を得る学習を行います。それは、中学部段階では「誰か(自分を含む)のために頑張る」ことで「他者に喜ばれた、感謝・賞賛された」という経験を積むことが大切だと考えているからです。働く上では、金銭を得ることも大切なことの1つですが、仕事を続けられるのは根底に働く喜びがあり、その働く喜びは、他者のため・社会のために貢献することや、仕事を通して自己実現をすることで生まれると考えています。

そのため、中学部ではどの学年の段階でもはたらく学習を取り入れていますが、1年生のお店(職業模擬体験)、2年生の就業体験ではあえて金銭のやりとり等は行わず、感謝・賞賛される経験をたくさん積むことを重視しています。そして、3年生のこの「校内実習」で3年間のはたらく学習のまとめとして、作業に対する対価を得る経験を積むことにしています。2週間の作業でつぶした空き缶は、最後は業者の方に買い取っていただき、その代金は卒業旅行の活動や買い物にあてる予定です。

1日目の活動を終える頃には、みんな初日をやりきった高揚感と、疲れが入り混じった顔をしていました。「校内実習」ははじまったばかり。2週間の積み重ねを通してまた一つ成長した姿を期待しています。

(2024.01.30更新)